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プロ野球・オープナー制とはどんな戦術?
今年のプロ野球で注目を集めそうなのが「オープナー」と呼ばれる投手起用の戦法です。昨年メジャーリーグで話題になったのですが、先発投手のコマ不足が深刻な楽天イーグルスに有効な戦い方なんじゃないかな、とかなり注目しています!
そこで、先発投手の起用法「オープナー制」と、派生する戦術で「ブルペンデー」について、ご説明しますね。
オープナー(制)とは?
オープナー制とは、試合開始の1、2回の短いイニングをリリーフ投手が先発して投げるという独特の継投戦術です。初回を投げたリリーフ投手(オープナー投手と呼ばれる)に代わり、2回ないし3回以降を本来の先発投手が投げるという流れになります。
まるで先発投手がロングリリーフを行っているように見えるオープナー制は従来の先発投手が初回から中盤以降を投げ、それ以降はリリーフ投手が継投するという従来の戦術から大きく変わった方法と言えます。
MLB(メジャーリーグ)で昨年から話題に
このオープナー制は2018年にアメリカメジャーリーグの一部球団(タンパベイ・レイズなど)が行ったのが本格的な運用です。日本国内ではパリーグの日本ハムファイターズの栗山監督が注目しており、2019年のオープン戦では巨人がその戦術に似たブルペンデーという継投策を試みました。
「ブルペンデー」とは?
オープナー制はクローザーなどの押さえを序盤に持ってきて、その後は投球回数を多く投げられる先発投手を投入するということはお話ししましたが、似たような戦術で「ブルペンデー」という起用法もあります。
ブルペンデーは先発のリリーフ的な投手が降板した後、先発投手ではなくそのままリリーフ陣が継投していくというものになります。中継ぎ・リリーフの数人で、短いイニングを継投する投手起用です。(非常に似ているため、オープナー制(ブルペンデー)と言う表現をする場合も少なくありません)
また、過去にはペナントレース中、先発ローテーションの谷間に中継ぎのリリーフ投手だけで継投するという苦肉の策をブルペンデーと言った時代もあったようですが、現在(少なくとも昨季から)はブルペンデーと言うとオープナー制の一つと言う形で紹介されている傾向にあるのです。
オープナーやブルペンデーには多くのメリットがあり、投手力の弱いチームがチーム防御率を向上させる継投策としてメジャーでも非常に評価された戦術になってきています。
オープナーが登場した理由・背景
2018年のメジャーリーグで話題になったオープナー制ですが、これはタンパベイ・レイズが行ったことがきっかけになります。当初タンパベイ・レイズは投手力で他球団との差がありました(弱かった)。特に先発投手が他球団に比べ充実しているとは言い難く、チーム防御率も期待できない状況でした。
そんな中序盤からクローザーを起用し、先発投手へつないでいくオープナー制を採用し、実戦投入したところゲームがうまく作れるようになり、ア・リーグ全15チーム中で2位のチーム防御率3.74を記録しました。
オープナー制によって先発投手の無駄な負担も軽減できたため戦力の温存ができたという点も防御率アップの要因と言えます。他球団もその継投策に注目し、ロサンゼルス・エンジェルスもシーズン終盤で採用し徐々にメジャーリーグにも浸透しています。
オープナー制のメリット・デメリット
オープナー制はもちろん良い点だけではありません。救援投手をいきなり序盤に投入する戦術であるオープナー制はメリットとデメリットがあります。
最大のメリットは、得点率の高い1番から3番までの上位打線をクローザーが抑えることでゲームの流れがスムースになる。先発投手が良い流れの中スタートできれば、有利に試合を運ぶことができます。
次に先発投手の負担が軽減されるという点です。試合開始からクローザーやリリーフエースを投入することで、本来であれば先発投手がいきなり上位打線につかまり、炎上するというパターンがほぼ消えます。
本来の先発投手が登板しても下位打線からスタートするため比較的安全なスタートを切ることができます。そうなることでゲームも安定して作ることもできますし、上位打線に捕まりいきなり球数を消費して立ち直れなくなるということもありません。
オープナー投手がゲームを作ってくれるので、先発投手もある程度体力を温存できますから長いシーズンを戦うのにも有利に進むというメリットがあります。特にMLBの先発投手は中4日が基本なので、ローテンションを維持するために有効といえます。
そう言った意味で、強力な先発投手を持たないチームには効果的な戦術と言えるのです。
デメリットも指摘される
ただ、このオープナー制もデメリットがあります。確かにチーム自体の防御率は上がるのですが、投手個人の成績がつきにくいという点です。
勝ち星やセーブと言った成績はある一定の条件(イニング数など)を満たさなければカウントされませんから、序盤からクローザーが投げたらセーブ数はそのクローザーにカウントさせず投球回数や防御率のみがカウントされます。
先発投手に至ってはチームが勝っても勝ち星がつかないこと多くなると、球団としては評価(査定)が低くなり年俸の交渉にも影響します。勝ち星やホールドなどの投手記録がつかないと、ファンも楽しみが1つ減ってしまいます(記録マニアも多いですので)。
確かにチーム力としては強くなりますが、淡白な戦術、面白みのない球団とのイメージも付いてしまうといったデメリットが考えられます。
まとめ
実は、平石監督が「オープナー制を採用する」というコメントを見ました。エース則本の離脱はやっぱり大きな戦力ダウンですからね。オープナーやブルペンデーを採用するメリットが高いでしょう。
イーグルスの場合、中継ぎ・抑えのメンバーはそれなりにいますので、オープナーに適してるでしょう。安楽・宋家豪・菅原あたりの投手は2イニングくらいならビシっと抑えるのでは?あとは松井や青山あたりの先発もありそうですね。
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